IP v4は有料化へ

2023年7月28日(現地時間)付けのAWSニュースブログの記事の中で、AWSサービス内で付与されるIPv4 IPアドレスに対して、1IPアドレスあたり0.005US$の料金を2024年2月1日より徴収すると発表がありました。

IPアドレスに対して、料金を徴収する理由として、IPv4 アドレスの枯渇により希少なリソースになっていること、(AWSが)IPv4アドレスを取得する際のコストが5年間で約300%上昇していることとしています。

これまでチャージなし?利用料に含まれていた?と考えてきたIPv4の利用料金ですが、2024年2月1日よりEC2、RDS、EKSなどIPv4を割り当てられるすべてのAWSのインスタンスにこの料金が適用されるとのことです。時間当たりの費用は$0.005となっており、1か月あたり約$3.6前後のコストアップになることが予想されますので、IPv4を割り当てたインスタンスを何台も稼働させるようなシステムでは、大幅はコスト増が予想されます。

AWSでは、記事の中でもIPv6への移行を推奨していますので、どこかのタイミングでIPv4からIPv6への切り替えを計画の中に入れていくことも今後の事業運営の中で必要なってくるでしょう。

EC2 Instance Connect Endpoint

AWSでは、パブリック IP アドレスなしで ”SSH接続”と ”RDP接続” が可能にする「EC2 Instance Connect Endpoint」というサービスを2023年6月に発表しています。

ウェブコンソールからログインし、エンドポイントを作成する と進んでいくだけで簡単にEC2 Instance Connect Endpointを利用することができますので、必要に応じてEC2 Instance Connect Endpointを利用するなど、ランニングコストを抑えたシステム造りの一環として、AWSアーキテクチャを見直しも必要になってくるかもしれません。

IPv6とは

補足情報として、IPv6についてまとめておきます。

IPv6とは、

Internet Protocol Version 6(インターネット プロトコル バージョン6)の略語で、現在主流となっているIPv4が、約43億アドレスに対し、IPv6では、約340澗と膨大な数のIPアドレスを割り当てられることができる為、IPv4アドレスの枯渇問題を解決する手段として、1990年代から検討されてきたIPアドレスのことです。

IPv6は、IPアドレスを枯渇問題を一気に解決する手段としてメリットも大きいのですが、当然ながらデメリットも存在していますので、少しご紹介しておきます。

IPv6のデメリット

わかりにくい

IPv4のIPアドレスは、192.168.0.1のようにピリオド(.)で4つに区切った各3桁の数字でつくられていますので、人がIPアドレスを比較的認識しやすいのが特徴です。一方でIPv6は、コロン(:)で8つに区切った英数字で構成(例:AA10:BB20:0:1:2:30CC)される為、IPv4に慣れている人からすると”わかりにくく”やや”認識し難い”というデメリットがあります。

プロトコル互換がない

IPv4とIPv6で使用されているプロトコルには、互換性がありません。その為、完全にIPv6への移行が完了するまでの相当長い期間、両方のプロトコルをサポートし、平行で運用し続けなければならないといったデメリットが存在しています。

その他のデメリット
  • いつ完全にIPv6へ移行するのか、誰もわかっていない。完全に移行できるかすらもわからない。
  • 逆引きが困難
  • セキュリティ上の理由からNATやIPマスカレードでIPアドレスの変換し、隠されてきたIPアドレス隠ぺい対策(セキュリティ対策)が難しくなる。

等々のデメリットが多く存在していますので、IPv6の発表から10年20年と時計の針が進んでいますが、中々、IPv6への移行が進んでいません。
今回のAWSのIPv4有料化が起爆剤となるかは正直わかりませんが、コストの観点からもIPv6への移行・採用が今後は進むのではないかと予想しています。