辞書攻撃は、パスワードや暗号鍵を解読するために、辞書に載っている単語やよく使われる文字列をリスト化して、一つずつ試していくサイバー攻撃のことです。
辞書攻撃の概要と目的
辞書攻撃(Dictionary attack)は、ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)の一種ですが、より効率的に不正アクセスを試みる手法です。
ブルートフォース攻撃が文字や数字のすべての組み合わせを試すのに対し、辞書攻撃は、あらかじめ用意された単語やフレーズのリスト(辞書)を使用します。
この辞書には、一般的な単語、人名、地名、過去のパスワード、よく使われる数字の組み合わせなどが含まれています。
主な目的は、システムへの不正侵入です。多くのユーザーは、パスワードに推測されやすい単語やフレーズを設定する傾向があるため、この攻撃は非常に高い成功率を持つことがあります。
辞書攻撃の動作プロセスと種類
辞書攻撃は、パスワードリストを用いて自動的に試行を繰り返すという点で、ブルートフォース攻撃と共通しています。
1. 単純な辞書攻撃
- 概要:
- 攻撃者は、単語リスト(例:
password、123456、qwertyなど)を使って、ログインを試行します。
- 攻撃者は、単語リスト(例:
- 動作:
- 攻撃プログラムは、リスト内の各単語を順に、あるいはランダムにパスワードとして入力し、成功するまで繰り返します。
2. 派生型辞書攻撃(ハイブリッド攻撃)
- 概要:
- より複雑なパスワードに対応するために、辞書の単語に数字や記号、文字の置き換えなどを組み合わせる手法です。
- 例:
- 辞書にある「
password」という単語に、1を付け加えて「password1」と試したり、oを0に置き換えて「passw0rd」と試したりします。
- 辞書にある「
辞書攻撃への対策
辞書攻撃は、多くのシステムにとって現実的な脅威であるため、以下の対策が不可欠です。
1. 強固なパスワードポリシーの徹底
- 概要:
- ユーザーに、単語や推測されやすい文字列を避けるように促し、複雑で長いパスワードの使用を義務付けます。
2. 多要素認証(MFA)の導入
- 概要:
- パスワードだけでなく、別の要素(例: スマートフォンアプリで生成されるワンタイムパスワード)を要求することで、パスワードが漏洩しても不正アクセスを防ぎます。
3. ログイン試行回数の制限
- 概要:
- 一定回数ログインに失敗した場合、アカウントを一時的にロックアウトします。これにより、自動化された辞書攻撃を無力化できます。
辞書攻撃は、ユーザーが安易なパスワードを設定する限り効果を発揮するため、これらの対策を通じてユーザーのセキュリティ意識を高めることが重要です。
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