動画制作を行う上で気になる動画の”画質”

動画配信ビジネスを行う上で、気になる動画のテクノロジーについてご紹介していきます。

動画の画質

今回は、「動画の画質」です。

APPSWINGBY Streamをご紹介する中で、「動画の画質を変更できますか?」との質問が度々寄せられます。ひとことに画質といっても、実は、ウェブの世界では”画質”という言葉がどの指標を指しているのか非常にわかりにくいものとなっていますので、画質とはどのようなものか?について解説していきます。

画質とは?

「画質」とは、画像もしくは映像を見た際に受け取る“印象“のことです。とくに画質という言葉を表す値はありませんので、人によって受ける印象や感想が異なるものになります。

一方で、電気屋さんなどでは、テレビの画質を表す単位として、「HD」「フルHD」「4K」「8K」・・・といった言葉で画質の状態を表現しています。ここで出てくる“K”は、画素数である1000という単位を表すSI接頭辞として使われています。

下の表は、2K(フルハイビジョン)、4K(4K UHD)、8K(スーパーハイビジョン)、それぞれの解像度と画素数を表にしたものです。

解像度画素数
2Kフルハイビジョン1920×1080(1080p)2,073,600
4K4K ウルトラHD3840×2160(2160p)8,294,400画素
8Kスーパーハイビジョン7680×4320(4320p)33,177,600画素
2K(フルハイビジョン)、4K(4K UHD)、8K(スーパーハイビジョン)

2K/4K/8Kの大きさを並べて比べてみると、「4K」、「8K」が如何に大きいものかがよくわかります。

解像度とは

解像度とは、正式には画面解像度(がめんかいぞうど)(英:Display resolution)といい、コンピュータなどのディスプレイの総画素数を表したものです。画素数、画素密度はピクセル密度(pixel density)とも言われます。

画素(ピクセル)は、ディスプレイの縦横に並べられた小さな点のことで、画素の数が多ければ多い程、細やかで綺麗な画面表示が可能になります。

画素密度を表す単位として、1インチあたりのドット数を「dpi(dot per inch / ドット・パー・インチ)」として表記していましたが、印刷用途ではない画面解像度を表す単位として「ppi(pixel per inch / ピクセル・パー・インチ)」も使われるようになっています。

dpi(dot per inch / ドット・パー・インチ)と印刷

dpiは1インチあたりのドットの数で現在では主に印刷用途で使われていますとお伝えしました。印刷用途の場合、dpiの数値が低いと印刷した写真やイラストがぼけてしまいます。

企業の印刷物などでも稀に見かけることがあるのですが、ウェブサイトで表示されていた画像をそのまま印刷してしまい写真や画像がぼやけてしまい、見にくくなってしまった印刷物などがありますが、その原因の多くは、ウェブで目安として使われているdpi 72dpiのまま印刷してしまったことが原因です。つまり、印刷用途に使うには解像度が低すぎたということになります。

多くの印刷会社で目安としているdpiは、300dpiから400dpiを推奨しています。参考までの値として、350dpi あれば巨大な印刷物でない限り美しく鮮明に印刷できると言われています。

参考:A4サイズの印刷物に必要な解像度は?

A4(縦型)の場合、 縦207㎜×横210㎜ 300dpiを求める場合、は以下の計算式で求めることができます。

画像のピクセル数(px)

印刷サイズ(mm)×解像度(dpi)/ 25.4(1インチ=25.4mm)

画像サイズから印刷可能なサイズを求める式は以下の通りです。

印刷サイズ

画像のピクセル数(px)×解像度(dpi)×25.4(1インチ=25.4mm)

ウェブの世界における画質、「i」「p」「fps」

ウェブの世界、中でも動画の質を示す値として、よく耳にするのが「i」「p」「fps」といった値です。カメラやスマートフォンの「仕様」欄にも書かれているこの値について解説していきます。

「i」「p」の意味

「i」「p」は、モニター上に画像を表示する際の走査方式の違いを表しています。

「i」は「interlace scan」の頭文字をとった表記で、インターレース走査であることを表しています。一方、「p」は「progressive scan」の頭文字をとり、プログレッシブ走査を意味しています。

インターレース走査「i」

インターレース走査「i」は、飛び越し走査とも言われており、一枚の静止画を表示する際に横軸に走らせた走査線の奇数列(1,3,5,7,9・・・)を上から順番に表示させた後に、偶数列(2,4,6,8,10・・・)を表示する方式です。地上波テレビ放送やDVDなどは現在この走査方式を採用しています。

インターレース走査は、フレームレートの低い動画でもそこそこ見れる動画として表現することができるメリットを持っています。一方で、高精度な動画を表現する場合には向いておらず、画面がちらついて見えるなどのデメリットがある走査方式です。

プログレッシブ走査「p」

プログレッシブ走査「p」は、順次走査、ノンインターレース走査とも呼ばれる走査方式で、画像を上から順番に表示する方式です。

画像を表示するスピードは、インターレース方式の約2倍とも言われています。その為、インターレース方式では、速度の速い映像を表現する際に、画面がちらついて見えるフリッカー(蛍光灯のちらつきのような現象のこと)などのデメリットをカバーすることのできる走査方式なのがプログッシブ走査です。

動画制作を行う上で気になる動画の”画質”#2に続きます。